[オダサガの自然] 身近な自然で野鳥観察 —木々の芽吹く前がチャンス—

投稿者: | 2024年2月13日

Exploring the joys of birdwatching in Sagamihara, this blog introduces seasonal avian visitors and family-friendly observation spots around Odasaga.

Illustrate a tranquil birdwatching scene in Sagamihara, showcasing a family with binoculars and a guidebook, surrounded by trees without leaves and several birds like woodpeckers, robins, and tits. The family is engrossed in observing the birds, capturing the essence of early spring before the trees bloom. The scene is set in a wide aspect ratio, using soft, muted color tones to convey a calm, focused atmosphere suitable for a blog about nature and technology, without a white border.

相模原市で IoT 設計を受託しているファームロジックスです。

先日(2月5日)は大雪で驚きましたが、ここのところ、日に日に春らしさが増してきたように感じます。もう少しすると、スギ花粉で外出がおっくうになる方もあるかと思います。それまでの間、まだまだ見られる冬鳥の観察に適している時期でもありますので、手製のおにぎり、サンドイッチなど持参で、御家族と野鳥観察に出かけてみてはいかがでしょうか。

野鳥観察に適した季節

野鳥観察なんていつでもできるのでは、と思われる方もあるかと思いますが、野鳥観察にもシーズンがあります。第一に、野鳥の中には日本で冬にしか見られない鳥、夏にしか見られない鳥、というものがあります。分かりやすい例としてはツバメがあるかと思います。一般にツバメは夏鳥として知られ、関東地方ではおおむね 3月の後半から 4月の初旬くらいに、ツバメの飛来数がピークになります。(参考: ツバメ観察全国ネットワーク – 渡り

また、樹木の葉が茂ってくると、木にとまっている野鳥を見つけるのは難しくなります。野鳥の声を聞きながら、同時に野鳥の姿を観察し、「この声で鳴いているのは、この鳥なんだ」という発見を味わうには、落葉樹に野鳥がとまっているのを見つけやすい、冬から春初旬が適していると思います。また、水辺で見られるカモの種類には冬鳥が多く、夏よりは、この時期のほうが多くの種類の水鳥を楽しむことができます。

オダサガで野鳥なんて見られるの?

オダサガ(小田急相模原)にお住まいで、普段に野鳥を見る機会のない方は、「オダサガで野鳥なんて見られるの?  ハトやカラス、スズメならいつでも見てるけど」と思われるかも知れません。

しかし、ちょっと注意すると、意外と多くの野鳥を見ることができるものです。

以下の野鳥は、注意すれば一年じゅう見ることのできるものもありますが、この時期にオダサガで比較的簡単に見つけられるものを(簡単に見られるものから順に)まとめてみました。(私が撮影したものではない写真は、Creative Commons のライセンスの写真にリンクさせて頂いています。キャプションに CC BY と記述されているものがそれです。)

ヒヨドリ

ヒヨドリ

ムクドリ

ムクドリ

キジバト

キジバト

ハクセキレイ

ハクセキレイ

Zosterops japonicus -Japan-8a (1)

メジロ(su neko, CC BY 2.0 <https://creativecommons.org/licenses/by/2.0>, via Wikimedia Commons)

シジュウカラ

シジュウカラ

Turdus eunomus s3

ツグミ(Alpsdake, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons)

Phoenicurus auroreus female side

ジョウビタキ(メス)(Alpsdake, CC BY-SA 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0>, via Wikimedia Commons)

2011 Blauelster in Shanghai

オナガ(J. Patrick Fischer, CC BY-SA 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0>, via Wikimedia Commons)

Aegithalos caudatus trivirgatus (Mount Noko)

エナガ(Alpsdake, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons)

コゲラ

コゲラ

ヤマガラ

ヤマガラ

こんな図鑑(ハンドブック)がお勧め!

ネットを探すといろいろな情報が無料で見つかる時代ですが、もしハンドブックが欲しいという方には、以下の本がお勧めです。

野鳥の図鑑というと、日本野鳥の会が編纂したものが有名ですが、私がいままで参考にしてきたものの中では、上記の図鑑がもっとも役にたっています。理由は、

  • コンパクトでポケットに入るサイズながら、住宅地で見られる鳥から水鳥、猛禽類まで多くがカバーされています。野鳥を観察しよう! という目的でないとき(鉄道ひとり旅など)でも、気軽に持ち歩けるサイズです。
  • その鳥が、ある地方(関東、東北など)の、どの程度の海抜で、どの季節に見られるものなのか、簡便に図示されています。「あそこにいる鳥はキビタキなのではないか!?」と思ったら、実は関東地方ではもっぱら夏に見られる鳥だったと分かってガッカリする、といったことが避けられます。
  • 野鳥の姿を、写真ではなく、きれいなイラストで紹介しています。写真のほうがいいのでは、と思われる方もあるかと思いますが、実はそうとは限らないのです。似たような野鳥を識別(同定)するとき、イラストで、野鳥の種類の特徴を分かりやすく描き、かつ、似たような鳥との違いを言葉で簡潔に説明している本書のほうが、識別に役立つことが多いです。
  • 本文が簡潔。上述したように、最近はネットの情報が充実しているので、詳しい情報はネットを探せばいくらでも見つかります。それよりも、情報を簡潔にして、一覧性、比較性、コンパクトさを重視した本書は、非常にバランスの取れた編集だと感じます。

一方で、もう少しここを充実させてくれれば、という点もあります。それは、野鳥の鳴き声(鳴き方)に関する記述があまり充実していない、というものです。たとえば、シジュウカラは一般に「ツツピー」とか「ピピチュー」と鳴くとされていますが、意外と、異なる鳴き方をするときもあるのです。さらに、鳴き方から野鳥の種類を同定するような索引があったら便利なのにな、と思うこともあります。望遠レンズの付いたカメラで撮影してくれば、家に帰って図鑑で同定できることもできますが、スマートフォンなどで撮影した小さな姿ではそれも困難ですし、できることなら、フィールドで野鳥の種類を同定できたほうが、同行者と会話も弾むでしょう。

なお、特定の地域で野鳥を観察するのであれば、地域の自治体や野鳥観察クラブなどが編纂しているハンドブックが便利です。例えば、近隣の公園で見かけた鳥を、北海道でしか見られない野鳥と混同したりするのは面白くないでしょう。ある地域で見つけやすい野鳥をまとめたハンドブックがあれば、そのようなつまらない勘違いをすることもありません。オダサガ近辺にお住まいの方であれば、以下のハンドブックがお勧めです。

上述の通り、最近 PDF ファイルがダウンロードできるようになったので、気軽に閲覧できるようになりました。「やっぱり紙の方がいい」という方は、例えば、大和市の「泉の森」に行けば、「しらかしのいえ」という観察センターの建物で手に入れられます(在庫があれば)。

お勧めの観察場所

先ほどお勧めしたハンドブック(ひと目で見分ける287種)を見ると、その野鳥をどのような場所で見られるか、というヒントがありますが、オダサガ(小田急相模原駅)から比較的近い場所で、私のお勧めの観察場所をまとめておきます。

大和市「泉の森」

泉の森ガイドマップ

泉の森ガイドマップ(Google Maps

オダサガからは離れていますが、私の一番のお勧めがこちらです。特に水鳥が豊富で、季節によっては、たくさんのオジサンたちが、一眼レフカメラと高価そうな長い(超望遠の)レンズの放列を敷いているのを見かけることもあります。

オジサンがたは、いったい何をなさっているのでしょうか!?  オジサンは、カワセミが水面にダイビングする瞬間、あわよくば小魚をくわえて飛び立っていく瞬間を捉えようとしているようです。私のように、手ぶれ補正のない 300ミリレンズ(+ エクステンダー)しか持っていない若造ではとても太刀打ちできないので、カワセミに関しては、私はもっぱら、双眼鏡でカワセミを観察、あるいは、放列を敷いているオジサン自身のほうのチェックに注力しています。

閑話休題。泉の森は、水鳥(この時期だとカモなど)をとても近くから観察できるので、水鳥に御興味のある方にはお勧めです。また、サギの種類も比較的豊富で、また、水辺の枯れ草にとまるシジュウカラなども、比較的多く見つけることができます。

以下、私が最近撮影した写真を紹介させて頂きます。

たぶんカワウ

たぶんカワウ

ヒドリガモのオスとメス

ヒドリガモのオスとメス

県立座間谷戸山公園

県立座間谷戸山公園

県立座間谷戸山公園(Google Maps

座間市にある自然公園です。特徴は、泉の森と同様に水源地があるので湧き水が豊富で、水鳥を多く見られることです。利用者層としては、「泉の森」は家族連れが多いのに対して、ややマニアックな野鳥ファン、また、近隣のお住まいのお年寄り夫婦、若夫婦などが多いことでしょうか。公園内の小径に階段が多いので、子供連れ、幼児連れの方は比較的少ないようです。

そう。この公園にも水鳥が多いのですが、問題の一つは、水鳥がなかなか近くまで泳いできてくれないことです。この公園でカモの撮影、また詳しい観察をしたい場合には、超望遠レンズ、地上望遠鏡が必須だと思います。

大和市「さくらの散歩道(水道みち)」

大和市「さくらの散歩道(水道みち)」

大和市「さくらの散歩道(水道みち)」(Google Maps

ここは意外な穴場です。オダサガや東林間駅から比較的近く、水鳥以外の野鳥を、「ごく近くから観察できるチャンス」がある場所としては、ここ以上の場所は無いように思います。

近隣の方であれば、「近隣の自然公園?  『東林ふれあいの森』とか『つるま自然の森』なんてどうですか?」と思われるでしょう。これらの公園(森林?)は、確かに野鳥の声を楽しむには適しているのですが、双眼鏡やカメラで野鳥を捉えるのは意外と難しいのです。(後者の「つるま自然の森」は、まだ比較的野鳥を目で見つけやすいが。)

私のごく浅い経験によれば、野鳥の姿を近場で見ることができる場所には、次のような特徴があります。

  • 一般の人が立ち入ることができない森林(雑木林)の周辺。そのような森林の中に、人が通れる広めの遊歩道があれば、なお可。(さらに意外な穴場としては、もう人が住んでいないと思われるような邸宅で、庭が広く、手入れの行き届いていない庭木が茂っていたりすると、周辺で野鳥を見られる可能性大です。そんな旧宅から、コジュケイやホトトギスの鳴き声が聞こえたこともあります。)

上述の「東林ふれあいの森」や「つるま自然の森」は(特に前者)、木々の間まで人があまりに気軽に立ち入れるようになっていて、野鳥から見ると、あまりに近くを人が通りかかるので、危険を感じ、木々の間の地面に降りづらいのではないか、と思います。

それに対して、さくらの散歩道は、遊歩道の両脇に一般人が容易に入ることができない森林が広がっているので、野鳥にとっては安心できるところなのではないかと思います。野鳥から見ると、「人のいない森林の中で餌を探しているうちに、うっかり人のいる遊歩道に出てしまった。でも、そのすぐ先には、森林がまた続いているので平気なんだ」、といった塩梅なのではないでしょうか。(私の勝手な想像、あるいは感情移入。)

ちなみに、中央林間6丁目37番地付近の森林も、一般人が立ち入ることができず、森林の間に遊歩道があったりするので、似たような特徴があります。ただし、最近はここの森林が伐採されがちで、遊歩道も短いので、大和市が保全している「さくらの散歩道」のほうに分があると思います。

実際、この遊歩道(散歩道)を歩いていると、シジュウカラやヤマガラが、のんきに(油断して?)遊歩道の脇の地面を歩いているのを見かけることがあります。そのような状況であれば、焦点距離のあまり長くないズームレンズしか持たない私などでも、野鳥を撮影することができます。スマートフォンのカメラでも、野鳥の特徴的な模様(柄)を判別できる程度の写真を撮ることは可能かと思います。

また、この「さくらの散歩道」は野鳥の種類が比較的豊富です。私もまだまだ、年間を通して何度も往復した訳ではないのですが、この時期、以下の野鳥が比較的容易に見つかります。

  • キジバト(住宅地にもいるが)
  • シジュウカラ(住宅地にもいるが)
  • ヤマガラ
  • エナガ
  • コゲラ
  • ガビチョウ

住宅地では、ヤマガラやコゲラを見かけることは少ないと思いますので、それらに御興味のある方は、訪れてみてはいかがでしょうか。

以下、私が最近撮影した写真を紹介させて頂きます。御参考ください。

おそらくコゲラ

コゲラ

ヤマガラ

ヤマガラ

おそらくガビチョウ

おそらくガビチョウ

その他の場所

なお、ファームロジックスのオフィスからは比較的遠いので、あまり訪れることはないのですが、オダサガ北部(?  相模台、御園、若松)などにお住まいの方は、「相模原中央緑地(木もれびの森)」なども、野鳥の観察に適しているかも知れません。

それでは、また今後も機会があったら、オダサガ近辺で見られる野鳥を紹介していきたいと思います。今日はこれまで。

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