相模原開発畑地灌漑(かんがい)東幹線を追う

Tracing Sagamiahra irrigation canal east route.

ファームロジックスのオフィス近くには、いろいろな歴史的遺構があります。もっとも有名なものは、「横浜水道みち」でしょうか。しかし、その横を走る小道(緑道)が何なのかは、多少の興味はありつつも、いままで真面目に調べたことがありませんでした。

先日こちらの記事を書くために、旧版の住宅地図を見ていたところ、この小道がかつて「相模原開発畑地灌漑(かんがい)」の用水路として整備されたものだということが分かりました。

以前から、座間市の小田急相模原駅に近いところに桜並木(相模が丘仲よし小道)が通っていて、それが元、灌漑用水として整備されたということは知ってましたが、横浜水道みちの横を走る小道も、それと同じものだとは知らずにいたのです。

さて、この相模原開発畑地灌漑については、先人の方々が多くの研究をなさっています。

しかし、その多くが西幹線用水(つまり、上記の「相模が丘仲よし小道」が含まれるルート)を主に取り上げていて、東幹線用水について取り上げているものは、あまり多くありません。その理由を想像するに、西幹線にはまだ多くの遺構(U字ブロックなど)が残されているのに対して、東幹線は都市化の影響を強く受け、遺構がほとんど残っていないためではないか、と考えています。(なにしろ、国道に沿っているところすらあるのです!)

ただ、私の住んでいる最寄りの遺構が東幹線ですので、やっぱり詳細を知りたくなりました。そこで、図書館などで旧版住宅地図を閲覧したり、昔の航空写真などを見たりして、経路をトレースしてみました。その結果がこちらです。

実際に歩いてみました

行幸通り(県道51号町田厚木線)との交差点から南を見ています。

府中道との交差点に説明の碑がありました。

小田急小田原線の踏切を渡ったところです。線路脇ということもあってか、あまりいじられずに暗渠の覆いが残されています。

横浜水道みちとの交差点です。右手背後から左手奥に向けて水道みちが走っています。

「相模が丘仲よし小道」ほどではありませんが、ベンチなどもときどき見かけます。

参考資料

  • 日本住宅地図出版: 住宅地図 相模原市(東部)1973
  • 明細地図社: 大和市明細地図 昭和47年版
  • 航空写真:  MKT674-C4-1, MKT674-C5-2, MKT668X-C3-2 など
  • 国土地理院 二万五千分の一地形図: 「原町田」昭和29年修正・昭和32年3月30日発行
  • 同: 「座間」昭和29年修正・昭和32年3月30日発行

まだ、大野支線など追い切れていない部分がありますし、桜ヶ丘駅から南はトレースできていません。間違いもあるかと思います。御笑納頂けましたら幸いです。

なお、深堀川に関してはこちらも参考にさせて頂きました。

更新履歴

  • 作成: 2022年5月26日
  • 桜ヶ丘駅以南, および参考資料を加筆: 5月27日
  • 大野支線の谷口中学校付近を修正: 5月28日
  • 深堀川に関する情報を追加: 同
  • 東幹線と大野支線を実際に歩いて調査(上記地図に反映): 5月28〜31日
  • 大野三号を大きく修正: 6月3日

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