マイクラで論理回路(ろんりかいろ)を学ぼう(第1回)

投稿者: | 2021/11/10

Learning logic circuits by Minecraft (part 1).

先日、有名なパソコンゲーム Minecraft(マインクラフト)上で「8 ビットマイクロコンピュータを動かす」、という素晴らしいプロジェクトを見つけました。

以前から、Minecraft 上でレッドストーン回路という、学研電子ブロックをバーチャルな世界に持ち込んだような仕組があることは知っていましたが、それはゲームを楽しくするためのトリックを作るものであって、まさか、実際にディジタル論理回路(ろんりかいろ)を作ることができるような高度な機能だとは思っていなかったのです。

調べてみたところ、レッドストーン回路を使うと、小中学生がディジタル論理回路の基本を楽しく学ぶことができそうなことが分かりました。また、もっとずっと大人の、例えば電子工学(でんしこうがく)を大学で学んだ方でも、論理回路の重要なポイントを復習するのに、とても役立ちそうだということも分かりました。

こんなことを書くと、俺は技術者だぞ、なめんなよ、という方もあるかも知れません。しかし、電子工学科を卒業していても、トランジスタ(バイポーラ、MOSFET など)を使って、例えば T-FF(フリップフロップ)を設計できる方がどれだけあるでしょうか?  はい、私もできません!(← 開き直らない)

レッドストーン回路って面白い!

まずは、小中学生のお子さんにとって、どんなふうに参考になるのか紹介しましょう。

  • マイクラの素敵な 3次元の世界で、論理回路を勉強できる!
    ソフトウェアのプログラミングも大切ですが、論理回路というハードウェアを学ぶことも、とても大切だとファームロジックスは考えます。
  • レッドストーン回路なら、動きを目で見て理解できる!
    実際の電子回路では、電圧計、電流計、オシロスコープといった測定器を使わないと、電気の流れがイメージできません。Minecraft のレッドストーン回路なら、電気信号の流れを目で見て確認することができます。
  • レッドストーン回路を覚えると、マイクラのゲームがもっと楽しく、創意工夫できるようになる!
    もうこれからは、お子さんがマイクラで遊んでいるのを見て、そのくらい熱心に勉強もしてくれればいいんだけど、などと思わなくて済むようになります。 🙂

続いて、若い電子技術者にはどんな役に立つのでしょうか。

  • 論理回路を使うだけでなく、論理回路の原理が理解できる。
    レッドストーン回路は、実はアナログ回路のモデリングなのです(次回説明)。レッドストーン回路の増幅器(リピータ)やコンパレータ、差動増幅器を使って論理演算(組み合わせ回路)や順序回路を設計するというのは、論理回路の本質を深く理解するのに役立ちます。
  • 論理回路はアナログ素子で作られていることを理解できる。
    上記と重複しますが、実は論理回路もアナログ素子で作られ、アナログ的な振る舞いがたくさんあります。論理スレッシュホールド、絶対最大定格、最高動作周波数などというものがあるのはそのためですし、半導体技術者は常に、電気の伝わる速度、プロセスルール、消費電力、といった制約を念頭に置きながら、半導体を設計しています。

ぜひ、皆さんに一度レッドストーン回路に触れて貰えたらと思います。

Minecraft の入手

既に Minecraft で遊んだことのある方もいらっしゃると思いますが、参考までに説明しましょう。

まず最初に、Minecraft は有料のゲームソフトです(無償評価版もあります)。パソコンで動作するもの、スマートフォンやタブレットで動作するもの、などいろいろあります。いずれもレッドストーン回路を動かすことはできるようですが、今回はパソコンで動作する Java Edition というものを使います。(Windows、macOS、Linux などで動作します。) バージョンは、最新の 1.17.1 を使います。

お子さんなどは、「えー、ぼく/わたしはパソコンなんて持ってないし、高くて買って貰えないよ」ということもあるでしょう。その場合はタブレットなどで動作する Bedrock Edition でも良いでしょう。しかしぜひ試して頂きたいのは、Raspberry Pi(ラズパイ)上で Java Edition を動かす、というものです。ラズパイならお小遣いでも買えるでしょうし、「ラズパイでプログラミングや論理回路の勉強をしたい」と言えば、御両親に買ってもらうこともできるでしょう!

少なくとも最新の Raspberry Pi 4 では、Java Edition が動いた、という報告をネットでチラホラ見かけます。以前にも私は、ラズパイで Java Edition を動かす試みをしたことがありますが、また今度、最新の状況を確認してみたいと思います。

Java Edition は、こちらから購入できます。

レッドストーン回路ってこんなもの

お子さんなどは、YouTube を駆使して、あっという間にレッドストーン回路を学んでしまいそうですが、御両親、あるいは電子技術者を対象に、レッドストーン回路の特徴(理屈)を簡単に説明しましょう。

  • レッドストーン回路は、実際の電気(電子)回路と違って、電流がプラス(高電位)からマイナス(低電位)に流れる、といったことはない。そのため、回路(circuit)という言葉は、現実には不適切かも知れない。

なんだか理屈くさくなってきたぞ。もう少し「イメージ」で行きましょう!

  • レッドストーン回路は、レッドストーン「信号」(電気の流れ)を作り出すための、レッドストーントーチ(たいまつ)やレッドストーンブロックから、レッドストーンダスト(レッドストーンの粉)で描いた「線」を伝わって流れます。
  • 信号が流れるレッドストーンダストに、いろんな機械(ブロック)を繋ぐことができます。たとえば、レッドストーンランプを繋ぐと明かりが灯りますし、ドア(玄関)を繋ぐと、ドアが開閉します。他にもいろいろなものを動かすことができます。音符ブロックといって、音を出すブロックもあります。

最初の一歩

理屈ばかりでは疲れてしまうので、まずはもっとも簡単なレッドストーン回路を作ってみましょう。次の写真のような回路です。

御存知の方もありますように、Minecraft には複数のゲーム「モード」があります。一つはサバイバルモードと言って、敵のモンスターが出てきて戦ったり、お腹が空くので、食べ物を探したり作ったりしなくてはいけない、という遊びです。必要なアイテム(レッドストーン回路を作るのに必要なものを含む)は簡単には入手できず、鉱山を掘ったり(そこからマイン(鉱山)クラフトという名前がきています)、モンスターから集めたりしなくてはなりません。多くの男のお子さんは、サバイバルモードで遊ぶことが多いのではないでしょうか。

もう一つ、Minecraft にはクリエイティブモードというものがあります。こちらでは、敵が襲ってくることはなく、必要なアイテムはいくらでも利用でき、空を飛ぶこともできます。まるでバーチャルの積み木遊びのように、いろいろな建造物(街、城)などを作ったりする創造的な遊びができます。

レッドストーン回路の勉強には、後者のクリエイティブモードが向いているでしょう。

さて、上の画面を見てみましょう。(看板を除いて)左から次のように並んでいます。

  • レッドストーントーチ: レッドストーンの信号(エネルギー)を作り出します。レッドストーントーチ以外にも、信号を作り出すブロック(アイテム)があります。
  • レッドストーンダスト: トーチの右 2つのブロックに、レッドストーンダストによる「回路」があります。
  • レッドストーンランプ: レッドストーンの信号で光るランプです。

「これって、どうやって作るんだ?」というマイクラ初心者の方のために、簡単なビデオを作ってみました。

今日はここまで!  次回は、レッドストーン信号の伝わり方について学びましょう。なお、以下の YouTube チャネルに御登録頂くと、新しい教材が公開された際にすぐ御覧頂けます。よろしくお願いいたします!

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