Measured ZigBee communication distance (indoor).
前回の Bluetooth LE (BLE) に続き、今回は Digi Interntional 社の ZigBee の通信可能距離を実測してみました。今回も屋内です。前回は BLE の advertising で測定しましたが、XBee では再送制御が働いてしまうので、その辺りの条件は異なります。
条件
- 高層鉄筋コンクリートの住宅の中
- 送信側: XBee S2(Router, PCB アンテナ)
- ファームウェアは現状最新版
- 受信側: XBee S2 (Coordinator, 1/4波長垂直アンテナ)
- ファームウェアは現状最新版
- 通信の間隔は 2秒固定
- 送信レベルは -8dBm および 2dBm の 2通り
- メッセージは AT モードで 4バイト
- 前回と同様に、Wi-Fi のアクセスポイントが散見される場所(前回の資料参照)です。
結果
受信側のアンテナが、前回の BLE に比べて条件が良い(おそらく数 dB 程度)ことはありますが、BLE に比べて RSSI が高めに得られています。
Tx Level | Distance (meters) | Other Conditions | RSSI (dBm, average) |
---|---|---|---|
2 dBm | 10.3 | Indoor and Open (or Unobstructed) | - 66 dBm |
2 dBm | 4.9 | Indoor and Open | - 54 dBm |
2 dBm | 10.3 | Indoor and 1 corner in the path | - 73 dBm |
- 8dBm | 10.3 | Indoor and Open | - 74 dBm |
- 8dBm | The longest path in my house (about 12 meters) | Indoor and 1 corner | - 91 dBm |
ただし、RSSI はあくまで「自己報告」なので、数字が実際よりも良く表示されている可能性があります。そこで、家の中で一番条件の悪そうな場所に送信側を設置して、RSSI の表示が XBee の受信感度(-96dBm)ギリギリでも受信できるものなのか、測定してみることにしました。その結果、RSSI が -91dBm というレポート状況でもほぼ問題なく(再送は起きている様子)通信できることが分かりました。
つまり、送信出力 2dBm で 10メートルという条件では、上記の悪い条件(-91dBm)に比べて 25dB 程度のマージンは得られているように見えますので、送信レベル 2dBm で見通しであれば、屋内でも 30メートルくらいの通信は行けるかも知れません。機会があったら、大学の校舎などを借りて実験してみたいところです。