実録! プログラミング不要。カスタムChatGPTをネットで公開しよう

The new GPTs feature allows non-coders to create custom ChatGPTs. A demo version for a barber shop can respond to business hour inquiries as directed by users.

A 3D illustration of a traditional barbershop with a classic red, white, and blue barber's pole in the front. Inside, a sleek and modern robot designed with chrome and blue accents is holding an old-fashioned telephone receiver to its head, taking a reservation. The robot has a friendly demeanor, displayed through a digital screen with a smiling emoji. The shop has vintage barber chairs, large mirrors, and wooden counters filled with various barber tools. The scene is set in a cozy room with warm lighting that creates a welcoming atmosphere. The aspect ratio is 16:9.

相模原市で IoT 設計を受託しているファームロジックスです。

先日発表された GPTs が、私の ChatGPT Plus アカウントで利用できるようになりましたので、さっそく評価してみました。まだまだ理解が足りないところがありますが、まずはレポートさせて頂きます。ちなみに、OpenAI 社のドキュメントもまだまだ整備中という感じがしますが、まずは使ってみましょう。

GPTs ってなに?

GPTs とは、カスタム版の ChatGPT を自由に作成できる機能です。OpenAI 社が、つい先週発表したばかりの新機能です。特徴は以下の通りです。

  • プログラミングスキルは不要です。
  • 相手がどのように話しかけたらどのように回答するか、という指示(instruction)を与えることができます。
  • さらに、追加の知識(knowledge)をファイル形式でアップロードすることができます。
  • ユーザーが、カスタム ChatGPT から、ウェブブラウジング、DALL-E、Code Interpreter(Python のコードを実行する機能)の何を実行できるようにするか、選択できます。(例えば、ユーザーが勝手に DALL-E で絵を描いたりできないようにできます。)
  • 必要に応じて、独自に設計した、あるいはサードパーティが提供している API を呼び出すことができます。例えば、床屋さんが提供するカスタム ChatGPT ならば、お客様の「いま、お店は混んでいるの?」という質問に対して、「ただいま、お待ちのお客様はありません。いらっしゃれば、すぐに対応できます。」などと回答させることができるようになります。

さっそく試してみよう

ChatGPT Plus の画面から、Explore というメニューをクリックすると、Create a GPT という項目が表示されます。(現在、段階的なリリースをしているようなので、まだ利用できない Plus ユーザーもいらっしゃるかも知れません。)

なお、上の画像にある「ファームロジックスのアシスタント」と「Code Formatter」は、私が実験的に作ったものなので、とりあえず無視してください。

Create a GPT という部分をクリックしましょう。すると、次のような画面が表示されます。

GPT Builder Hi! I'll help you build a new GPT. You can say something like, "make a creative who helps generate visuals for new products" or "make a software engineer who helps format my code."

えっ、英語なの?

大丈夫です。まだ、少し不自然ですが、いちおう日本語でも対話できます。いずれは、デフォルトで日本語チャットになるでしょう。

画面左下の Message GPT Builder… に対して入力していきます。

:

日本語でお願いします。

私: 日本語でお願いします。 GPT Builder: 素晴らしいですね。日本語対応のGPTを作成しましょう。このGPTの名前については、私は「日本文化ナビ」と提案しますが、いかがでしょうか?

がくっ。

床屋さんのチャットボットを作ってみよう

めげずに進めます。

私: 床屋さんのチャットボットを作りたいです。 GPT Builder: 「店長さん」という名前で床屋さんのチャットボットを作成しました。プロフィール画像を生成しましょうか⁇ 私: チャットボットの名前は「ファームロジックス理髪店」としてください。descriptionは「チャットボットが予約を承ります!」としてください。プロフィール画像を作成してください。 GPT Builder: プロフィール画像を作成しました。いかがでしょうか? 何か変更を加えたい点はありますか?

いちおう、それっぽいプレビューが作られました。文字が変ですが、これは後で手動で直すことにしましょう。

さらに続けます。

私: それで良いです。 GPT Builder: 素晴らしいです。 では次に、このGPTがどのように振る舞うべ きかを詳しく定めましょう。 お客様が理髪店で期待するサー ビスについて教えていただけますか? それに基づいて、チャッ トボットの対応をより具体的に調整できます。 私: チャットボットは、 お店の営業日、営業時間をお客様に回答 し、また、予約を受けられるようにしたいです。その他の、 理髪店に関する質問 ( ヘアスタイルについて、 髪の手入れに ついてなど) にも丁寧に回答できるようにしてください。 GPT Builder: お客様のご要望に沿ったように設定を更新しました。このチ ャットボット、 「ファームロジックス理髪店」 は、お店の営 業日や営業時間についてお客様に回答し、予約を受け付ける ことができます。 また、 ヘアスタイルや髪の手入れに関する 質問にも丁寧に答えるようになっています。 実際に使ってみたい場合は、 右のチャットエリアで試してみ てください。 何か改善点があれば教えてくださいね。

なんとかできたようです。

もっとも、このチャットボットにはまだ店の営業日や営業時間を教えていませんし、予約システムとの連携機能を設計していません。後者の実現には、OpenAPI という機能を使ってソフトウェアを設計する必要がありますので、まずは営業日と営業時間だけでも教えたいですね。

Configure 画面を見てみる

ここで、画面上にある Configure というタブに切り替えてみましょう。すると、次のような画面が表示されます。

ファームロジックス理骯店 チャットボットが予約を承ります! このGPTは「ファームロジックス理骯店」として機能し、お客様に店の営業日と営業時間を教え、予約取りを実施することができます。その他、ヘアスタイルに関する質問や髪の手入れについての問い合わせにも、知識があり且つ両尾に困った問いには誤解を避けるため詳細を尋ねることによって、予想できる程度の情報を正確に提供することを目指します。このチャットボットは、その方向でユーザーとの対話を楽しんでいただくために、友好的で早めのトーンを用います。

つまり、GPT Builder との今までの対話によって、このような Name、Description、Instructions 等を持った、カスタム ChatGPT が作られた訳ですね。

ここの、Instructions を書き換えることによって、営業日や営業時間を教えてあげることができそうです。やってみましょう。(ついでに、店の名前のタイトルも直してしまいましょう。)

Instructions:

このGPTは「ファームロジックス理髪店」として機能し、お客様に店の営業日(休業日)と営業時間を教え、予約取りを実施することができます。その他、ヘアスタイルに関する質問や髪の手入れについての問い合わせにも回答します。
回答には、できるだけ丁寧な言葉を使います。
ファームロジックス理髪店の休業日は、毎週月曜日と第2日曜日です。
営業時間は、朝8時から夜の8時までです。

実際にチャットしてみよう!

それでは試してみましょう。

できましたね。

営業日の情報の代わりに休業日を登録したので、正しく回答しれるか心配だったのですが、正しく回答してくれています。素晴らしいですね!

実際に、こちらのリンクからお試し頂けますので、ChatGPT Plus のアカウントをお持ちの方は、ぜひ対話してみてください。なお、あくまでもデモです。実在の理髪店ではないので、御了承ください。

現状の制限

いま、上の最後の段落を読んで「えっ?」と思われた方は、鋭いです。そうなのです。今は、このカスタム ChatGPT は Plus アカウント(有償)のユーザーでないと対話(チャット)ができないのです。

それじゃあ、理髪店のチャットボットにはならないのでは?  そうですよね。理髪店のお客が全て ChatGPT Plus ユーザー、という訳にはいかないでしょう。

実は、GPTs ではなく、直接に GPT API を呼び出す方法を使えば、(プログラミング技術と API の利用料金が必要ですが)完全公開型のカスタム ChatGPT を作ることはできます。この場合、第三者ユーザー(つまり、理髪店のお客さん)が、ChatGPT のアカウントを持っていなくてもチャットボットを利用することができます。ただしその場合は、API の利用料金(従量性です)は、チャットボットのオーナー(つまり、理髪店の経営者)が負担することになります。

GPTs でも、いずれこの問題は解決されることになるのではないかと思います。その場合は、もしかしたら ChatGPT の利用料金に加えて、API の利用料金を(カスタム ChatGPT の公開者が)請求されるようになるのではないか、と思われます。

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