Investigated Yamaha RTX1100 router failure, identified faulty switching power supply, acquired a used unit, resolved RS-232 issues, and introduced IPv6 link-local address setup for configuration.
後記(2025年2月)
このブログをお読み頂いた方から、RS-232 インターフェイスを使わずとも、工場出荷時の RTX1100 ルーターで Ethernet ポートだけを使って telnet でログインできる方法を教えて頂きました。ブログの末尾に加筆させて頂きました。R 様、どうもありがとうございました。
私事で恐縮ですが…
先日、自宅兼仕事場で使っていた IP ルーター「ヤマハ RTX1100」が壊れてしまいました。この機種は 2005年くらいに発売され、私自身も 2015年頃に中古で譲り受けたもので、製造はかなり古いものと思われます。そのため、壊れてもやむを得ないところですが、やはり困りました。IP ルーターが重要な通信インフラだということを痛感した次第です…。
TL;DR
結論だけ急ぎましょう。
分かったことは、内部のスイッチング電源が壊れていたということ、そして、その電源出力が 3.3V だということ、また、ルーターがアイドル動作の、3.3V 電源出力の電流が 1.1A 程度だ、ということです。参考になる方もあるかも知れません。
なお、メイン基板(緑色)側のコネクタは、JST の XH シリーズではないかと思われます。
いったい何が起きたのか?
結論を書き終えたので、ゆっくり愚痴を書きたいと思います。
先日(7月20日)の夕方、スマホをいろいろいじっていたら、OpenVPN の接続が切れていることを発見しました。いろいろ調べてみたのですが、接続できず。OpenVPN のサーバーは問題なく動作しているようですし、初めは、何が原因だか分かりませんでした。
いろいろ調べてみると、家中の PC のいずれからも、屋外(インターネット)への接続ができなくなっていることが分かりました。「これはルーターだな」と思い、ルーターにログインして再起動をかけてみたのですが、問題は変わりません。
そこでやってしまったのが、ルーターの電源 OFF/ON だったのです。
なんと、一度 OFF にしたルーターは、二度と電源が入らなくなりました。おそらく、内部の電源装置がかなり経年劣化していたのだと思いますが、後で以下の偶然さに唖然としたものです。
きっかけは、キャリアの通信設備の不具合だった
数十分後、市役所の防災無線でこんな通報がありました。
相模原市役所ひばり放送からお知らせします。
現在、南区の一部で、固定電話がつながりにくい状態にあり、 復旧の見通しがたっておりません。
110番、119番への通報がつながらない場合は、 携帯電話からの通報をお願いします。
こちらは防災さがみはらです。
最初は、固定電話網だけの話で、データ網(私はフレッツは使ってませんが、アクセス回線はフレッツだと思います)には関係ないと思っていたのですが、しばらくして、家族からこんなメールが来ました。
久しぶりに駅前の日高屋に寄ったら、ネットワークの不具合で、現金払いしかできないって言われたよ。
ああ、なんたること…。きっかけは、ルーターのトラブルではなくて、近隣のデータ網の不具合だったのです。がっくし。
おまけに、市役所は「復旧しました」通知をしてくれなかったので、何か代替のルーター(PC 上の仮想マシン)を立てようという気力すら起きませんでした。
同型ルーターの調達
しかし、電源の入らなくなったルーターが自然と直るはずはないので、同型の RTX1100 の中古を調達すること自体は即断しました。
20日の時点で、とある楽天出店ショップで RTX1100 の中古を見つけて注文しました。やれやれと思っていたのですが、翌 21日の朝、ショップから勝手に注文を取り消されました。後から来たメールによると、在庫管理の問題で、実店舗で既に販売してしまったらしく在庫がなかった、ということが分かりました。がっかりの上にがっかりが重なり、かなり精神的ダメージを受けました。
そんなことも言ってられないので、今度はヤフオクで中古を調達することにしました。こちらは非常に対応の良い出品者様で、動作確認済み、初期化済みの製品を即日発送してくださいました。その結果、22日夕方にはルーターを受け取ることができました。
RS-232 問題
とりあえず通電確認だけして、出品者さんに「受け取りました」通知をしました。夕飯を食べ終わってから、さっそく簡単な動作確認をしようと思ったのですが、ここで新たな問題が!!
RTX1100 は、初期状態では LAN 設定がまったくなされておらず、RS-232 インターフェイスからでないと設定ができないのです。
実は、そのようなことはある程度想定していて、20日の時点で USB – RS232 アダプタが道具箱に眠っていることを確認しておいたのですが、なんと、これが macOS 10.15(Catalina)から認識されないではないですか! macOS 上の VMware 仮想マシンから Linux で操作しようとも考えたのですが、なんと、macOS で全く認識されない USB デバイスは、VMware 仮想マシンに認識させることもできないのです。使わない間にアダプタが壊れてしまっているのでしょうか。。。
まさに、八方塞がりです。
この時代になって、新しい RS-232 アダプタなんて買いたくないなあ、誰か貸してくれないかなあ、と最初思っていたのですが、ダメ元で、別の Windows PC にアダプタを差してみました。お、なんと認識されます! アダプタが壊れていた訳ではなさそうです。
しかし…。TeraTerm を立ち上げて試してみると、COM ポートにうまく接続できません。まさに痛し痒しです。
最後の手段として、Windows PC に VMware Player をインストールし、その上の Ubuntu 22 で試してみました。やった! 無事に /dev/ttyUSB0 として認識されました。
無事に解決
ルーターの LAN ポートの設定ができたので、あとは telnet で設定続行です。以前の設定バックアップファイルが残っていたので、無事にルーターを復旧することができました。
普段、存在を忘れがちの IP ルーターですが、壊れると対応もなかなか大変です。普段から、ルーターが壊れることを想定して、対応策を考えておかなくてはならないな、と痛感した 4日間でした。
冒頭に書きましたが、ルーターの壊れた箇所は内部のスイッチング電源です。万が一また電源が壊れた場合は、3.3V のスイッチング電源を用意することで、対応できるかな、と考えています。
今日はここまで。
加筆(2025年2月)
このブログをお読み頂いた方から、貴重な情報を教えて頂きましたのでアップデートさせて頂きます。R 様、ありがとうございます。
上記で、「RS-232 インターフェイスを使わないとルーターの初期設定ができない」という話がありました。実は、RTX1100 では工場出荷時に IPv4 のアドレスが設定されていないのですが、IPv6 のリンクローカルアドレスは有効になっていて、telnet でログインできるのだそうです。もちろん、工場出荷時ですのでパスワードは未設定(空)です。
まず最初に、ルーターの IP アドレスを確認します。装置の裏を返すと、MAC アドレスが記載されています。3つ記載されていますが、最初のアドレスが LAN1 に対応します。このアドレスを、仮に 00:A0:DE:11:22:33
としましょう。(先頭 3バイト 00:A0:DE
は、YAMAHA CORPORATION に割り当てられた OUI と呼ばれるものです。)その場合、IPv6 のリンクローカルアドレスは、次のようになります。
fe80::02a0:deff:fe11:2233
fe80::
で始まるアドレスが、リンクローカルアドレスであることを意味します。続いて00:A0:DE
のうち先頭バイト 00
の下から 2ビット目は反転します。その後に FF:FE
を挿入し、残りの 3バイトを付加します。
詳しい変換のルールはネット上に見つかりますが、以下のサイトには、簡単に変換できるツール(計算機)もあります。
なお、実際に telnet コマンドや Tera Term を使う場合ですが、IPv6 のリンクローカルアドレスではインターフェイスの指定が必要です。Linux や macOS からであれば(インターフェイスが en0
の場合)、
$ ping -I en0 fe80::02a0:deff:fe11:2233 $ telnet -6 fe80::02a0:deff:fe11:2233%en0
また Windows の Tera Term であれば(インターフェイスが 5 の場合)、
[fe80::02a0:deff:fe11:2233%5]
のようにします。
ちなみに、私の macOS では telnet コマンドを入力してからパスワードの要求が表示されるまで数秒ほどの時間がかかります。理由は分かっていません。
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