In a recent news, found a possible competitor for the famous ESP32, which has a RISC-V core on chip.
Espressif ESP32 と言えば、組込系エンジニア、IoT エンジニアで知らない人はないほど有名な Wi-Fi マイコンです。同社は 2014年頃に一部の技術者の間で、一世代前の ESP8266 マイコンを載せた小さくて安価な ESP-01 ボードによって名前を知られるようになり、その後瞬く間に有名企業となりました。
2年ほど前に、日本国内大手企業の担当者や役員に紹介しても「中国製のそんな無名なマイコンは…」と相手にされませんでしたが、ようやく日本企業でも採用するところが増えてきているようです。
去年の夏には、同社は上海証券取引所の科創板(STAR Market)に上場し、上場直後の企業価値は 16億米ドルとも 18億米ドルとも言われていました。半導体業界における、まさにチャイニーズドリームですね。いや、そんなことはいいんだ!
ESP8266 の中を覗く
元半導体メーカーの技術者にとって、こちらの ESP8266 ダイ写真(Zeptobars より)は極めて興味深いものです。
This die-shot is licensed by Zeptobars under a Creative Commons Attribution 3.0 Unported License.
Zeptobars のサイト上の分析によると、ダイサイズは 2×2 mm。面積の半分は Wi-Fi の送受信アナログ回路とパワーアンプで占められ、25パーセントはメモリ回路、残りは Xtensa マイコンコアとディジタル論理回路で構成されている、ということです。オンチップでほぼ全ての機能が実現されているため、外部にはプログラム保持用のフラッシュ SPI ROM と、ごく小規模の部品を接続するだけで、Wi-Fi(AP やクライアント)、TCP/IP、HTTP 処理を実現できます。2020年現在でも、まだまだ現役で画期的なデバイスです。
個人的な回想を述べさせて頂くと(TL; DR)、20年近くも前から、日本国内でも多くの企業が安価な Wi-Fi マイコンを研究開発してきたと思うのですが、世界的な市場で普及したのは、この ESP8266 が初めてではなかったかと思います。
Espressif のライバル現る!?
ここ最近の IoT(モノのインターネット)ブームの中で、Espressif 社の成功に続けと考えている企業がないはずもなく、競合デバイスの噂をときおり耳にします。今回、CNX Software 社のニュース記事を見ていたところ、中国は南京にある Bouffalo Lab(博流智能科技)という企業が、BL602 および BL604 と呼ばれる Wi-Fi マイコンを発表したというニュースがありました。中国における、ここ最近の ARM 社の動きに対する疑念を反映しているのか、CPU コアにはオープンな命令セットアーキテクチャ(ISA)で知られる RISC-V を採用しているようです。
メーカーのウェブサイトを見ても、まだ詳細な情報は見つかりませんが、ざっと見た感じでは、低消費電力、搭載ペリフェラルの多さを特長としている模様です。
いずれにしても、市場で競争があるというのは大切なことだと思います。早く、このチップを載せた評価ボード、開発ツール、GitHub でのサンプルコードなどが公開されることを期待しています。
今日はここまで。