今日はペルーから入感中

Radio from Peru is reaching to Tokyo today.

いまやインターネットや人工衛星通信が当たり前となり、短波無線はアマチュア無線家や純粋な技術的興味の対象になりつつありますが、毎日のように電波伝搬を記録していると、ときどき楽しい現象を見ることができます。

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今日は朝から、ペルーにあるビーコン送信局 OA4B から、100ワットほどの無線電波(18MHz 帯および 21MHz 帯)が、15,000キロかなたのペルーから入感しています。短波通信は、電波が強くて大きなアンテナを使えばいつでも同じ条件で通信できるというものではなく、時間帯、季節、コンディションによって大きく影響を受けます。

かつては、国際電話でも短波通信が使われていたこともありますが、いまや海底ケーブル、衛星通信、そしてインターネット電話が当たり前となり、遠く南アメリカ大陸と「いつでも」コミュニケーションできることは普通のことになってしまいました。「今日はコンディションが悪いのでペルーのウェブサイトが閲覧できない」などいうことはありませんよね。

ちなみに、NHK のラジオ(第二放送)などは 500キロワット(50万ワット)という強力な送信機を使っていますが、昼間は 数百キロメートルほど届くのがやっとです。かつて短波通信が利用されたのは、弱い電波でも地球の裏側まで届く(ことがある)という性質が重宝されたためでもあるのです。

しかし逆に、短波無線は近距離であれば届くというものではなく、電離層でうまく反射できない日本国内からの電波はかえって受けにくいこともあります。(短波は電離層に浅く入射しないとうまく反射できないため、近距離はスキップしてしまう。)

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ペルーにある無線局 OA4B は、最短経路を辿っても東京からおよそ 15,500キロの遠距離にあります。わずか 100 ワット程度の電波がはるばる太平洋を越えて日本までやってくる様は、何か愛おしさ? を感じさせるものでもあります。

詳しくは、こちらのビーコンモニタを御覧ください。