ZigBee の通信可能距離(屋内)を実測してみました

投稿者: | 2015年4月10日

Measured ZigBee communication distance (indoor).

前回の Bluetooth LE (BLE) に続き、今回は Digi Interntional 社の ZigBee の通信可能距離を実測してみました。今回も屋内です。前回は BLE の advertising で測定しましたが、XBee では再送制御が働いてしまうので、その辺りの条件は異なります。

2015-04-09 11.25.00

条件

  • 高層鉄筋コンクリートの住宅の中
  • 送信側: XBee S2(Router, PCB アンテナ)
    • ファームウェアは現状最新版
  • 受信側: XBee S2 (Coordinator, 1/4波長垂直アンテナ)
    • ファームウェアは現状最新版
  • 通信の間隔は 2秒固定
  • 送信レベルは -8dBm および 2dBm の 2通り
  • メッセージは AT モードで 4バイト
  • 前回と同様に、Wi-Fi のアクセスポイントが散見される場所(前回の資料参照)です。

結果

受信側のアンテナが、前回の BLE に比べて条件が良い(おそらく数 dB 程度)ことはありますが、BLE に比べて RSSI が高めに得られています。

Tx LevelDistance (meters)Other ConditionsRSSI (dBm, average)
2 dBm10.3Indoor and Open (or Unobstructed)- 66 dBm
2 dBm4.9Indoor and Open- 54 dBm
2 dBm10.3Indoor and 1 corner in the path- 73 dBm
- 8dBm10.3Indoor and Open- 74 dBm
- 8dBmThe longest path in my house (about 12 meters)Indoor and 1 corner- 91 dBm

ただし、RSSI はあくまで「自己報告」なので、数字が実際よりも良く表示されている可能性があります。そこで、家の中で一番条件の悪そうな場所に送信側を設置して、RSSI の表示が XBee の受信感度(-96dBm)ギリギリでも受信できるものなのか、測定してみることにしました。その結果、RSSI が -91dBm というレポート状況でもほぼ問題なく(再送は起きている様子)通信できることが分かりました。

つまり、送信出力 2dBm で 10メートルという条件では、上記の悪い条件(-91dBm)に比べて 25dB 程度のマージンは得られているように見えますので、送信レベル 2dBm で見通しであれば、屋内でも 30メートルくらいの通信は行けるかも知れません。機会があったら、大学の校舎などを借りて実験してみたいところです。

2015年4月10日 カテゴリー: ZigBee